三菱一号館美術館の「バルテュス最後の写真 密室の対話」展に行きました。
ヴァロットン展とはチケット売り場も入口も違っていて、一室だけでの展示でした。
室内で少女がソファに横たわるポラロイド写真が並んでいます。モデルを務めるのはアンナ・ワーリ嬢。彼女が書いた「水曜日の午後」という文章の抜粋が展示してありました。それによると、彼女はバルテュスの隣人であり、ある日モーツァルトを口ずさんでいたところ、運命的なものを感じたバルテュスが親を介してモデルを依頼したのだそうです。彼女は8歳から16歳まで毎週水曜の午後にバルテュスの家を訪れますが、誰に強制されたわけでもなく自分の意志であったこと、彼に「祖父のような、友人のような」親しみを感じていたことを書いています。
8歳に近い頃の写真では自然光だけを使い、光を浴びた白い肌と影となった黒の部分とのコントラストが強調され、神秘的な感じがありました。16歳に近い頃の写真では画面全体に照明を当てており、大人の体になりつつある少女の身体の生み出す曲線を強調していました。それらの写真を題材に晩年のバルテュスは絵を描いていたわけです。
ショップには今回のポラロイドの写真集もありました。「BALTHUS room17」の方は2800円という値段で、蛇腹式の凝った作りの製本で写真は13点ほど。高価な方の本は値段が約10万円。こちらはもう少し点数が多いようです(詳細には中身を確認できませんでした)。
会 期 2014年6月7日(土)~9月7日(日)
会 場 三菱一号館美術館 歴史資料室(入口は広場側でなく大名小路側)
開館時間 10:00~18:00(金曜は20:00まで)*入館は閉館の30分前まで
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