東京都写真美術館に行きました。
地下1階は高谷史郎さんの「明るい部屋」です。
レンズを使って対象物を平板に映す光学装置「カメラ・ルシダ」、ロラン・バルトが著書「明るい部屋」で取り上げた過去の有名な写真家の作品など。
印象に残ったのはディスプレイに映った円形の映像の展示です。円の周辺部に360°の地平線が映っていて、円の中心に真上の空が位置していました(魚眼レンズを使って撮影した映像)。雲が猛スピードで流れ、やがて日が沈んで夜の景色になるのでした(何万枚もの写真を高速でつないだ映像とのこと)。それからびわ湖ホールでのパフォーマンスの映像(先ほどの魚眼レンズの映像を天井のスクリーンに映し、舞台上で演者が演技をする)も謎めいていて心に残りました。
2階は5人の新進作家の作品展「路上から世界を変えていく」です。
林ナツミさんの写真はやはり人間が浮遊していました。でも今回の展示作品では、ユーモラスな感じというよりも大画面で高精細なもの、立体視のための2枚組写真などへ主眼が移っているのでした。
糸崎公朗さんの作品の中には、都会の大きなビルの写真と、道端にひそむ一匹の昆虫の写真とを、その間をつなぐ写真を何枚もつなげて一つの作品にしたものがありました。大きいものと小さいものとが一つに共存していて面白かったです。
3階は植田正治とジャック・アンリ・ラルティーグ「写真であそぶ」です。
ラルティーグの作品は家族の一瞬の動きをとらえたものが多く、人物の動きの面白さ、ユーモラスな雰囲気が写真撮影によって抽出されているのでした。
植田正治の作品(子供たちの写真、砂丘での家族写真など)はラルティーグよりも演出が加えられているのですが、でもそれによって面白さが増しているような気がしました。
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