東京都美術館での「クリムト展 ウィーンと日本1900」に行きました。
初期のクリムト作品では緞帳のために古代ギリシャの風景を描いたり、彫金のために流れるような女体の輪郭線を描いたりしていて、対象物によって題材を決めているところがあり、その点では工芸作家に近づいていました。
有名な《医学》《哲学》《法学》にしても、激しい批判を巻き起こしたという逆の意味で、天井画にふさわしい絵を描いたともいえそうです。
「《医学》のための習作」が展示されていました。焼失した(保管場所のインメンドルフ城にナチスが火を点けた)ため、もう観ることのできない《医学》を想像するために役立ちそうな、ありがたい作品でした。
「ベートーヴェン・フリーズ」は実物大の複製だったので、マンガ風の筆致で描かれた邪悪な女たちの大きさを実感できてよかったです。
「ユーディット」「女の三世代」などは、細かい筆遣いがどうというよりも、官能的表現に圧倒される作品でした。風景画についても、画面構成の妙を味わう作品といえそうです。
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