東京国立博物館の顔真卿展に行きました。王羲之「蘭亭序」、欧陽詢「九成宮醴泉銘」、褚遂良「雁塔聖教序」とさまざまな有名作を見ることができます。
顔真卿の展示はうって変わって、書にその人の人間性を見いだす展示構成です。年齢によって書が変化していることを示し、「祭姪文稿」は感情の高ぶりで筆が乱れていることを示しています。
筆を動かすことによる自然な字体が王羲之とするなら、顔真卿は書かれた文字を見たときの構成から字体が作られており、いわば発想の転換が行われたことを解説していました。「フォントの明朝体の祖」としての側面も与えられています。
日本人の書も展示されていますが、そうなると今度は人間性だけでなく国民性によっても書が変わるということが示されていました。