国立新美術館でのミュシャ展に行きました。
入口を入ってすぐにスラヴ叙事詩が展示されていました。絵の巨大さは小さい絵とは異なる世界を生み出していました。
「ニコラ・シュビッチ・ズリンスキーによるシゲットの対トルコ防衛」は映画を観ているような気になります。逃げ惑う人々の姿や燃えさかる塔の様子など。きわめて現代的な物語描写です。
「聖アトス山」は地上の世界と天上の世界が共存した絵となっており、天上界の描写の壮大さに圧倒されます。異なる世界を同時に画面に共存させるのはミュシャ得意の作風なのでしょうが、それはまた、彼の絵は宗教や政治思想をテーマとして画面に描くことが多くなることを実感させるものでした。人物の背景に思想、政治、宗教が擬人化され描かれる。その人間を越えた巨大な存在。
アールヌーヴォーの作品も展示されていました。観客の人たちから「かわいい」という言葉があがるほどに現代のイラストレーションに通じる親しみやすさと美しさでした。
会場 国立新美術館 企画展示室2E
会期 2017年3月8日(水) - 6月5日(月)
開館 午前10時 - 午後6時
毎週金曜日、4月29日 - 5月7日は午後8時まで
休館 毎週火曜日
5月2日は開館