三井記念美術館の「錦絵誕生250年 春信一番!写楽二番!フィラデルフィア美術館浮世絵名品展」に行きました。
浮世絵の色の変化を怖れて展示室の照明を暗くしており、室温を20℃に下げていることが案内されていました。人間にとって快適な環境とは思えなかったです。
展示内容は充実していました。中でも鈴木春信が多いことが印象に残りました。そして絵の解説がきちんとしていることが有難かったです。
画面には春信流の若い美しい女が(あるいは若い男が)描かれているのですが、絵の内容を何かの物語を見立てたりしているので、その元を知ることで絵を深く観賞できるのでした。
例えば伊勢物語の武蔵野を題材とした絵は、「武蔵野は今日はな焼きそ若草の つまもこもれりわれもこもれり」の歌を踏まえ、娘の振り袖に隠れる若侍という構図に変わっていました。
まず初めに歌があって、それを春信流に絵で表現しているわけです。これは鑑賞者にとっては教えてもらわなければ到底分からないことだと思います。
後は写楽が充実しており、歌麿・北斎・広重など有名浮世絵師たちが登場していました。