三菱一号館美術館の「ヴァロットン展 冷たい炎の画家」に行きました。
ルナール「にんじん」の挿絵の人です。挿絵以外の木版画も数多く展示されていました。どことなくカレル・チャペックを連想しました(チャペックの挿絵は兄のヨゼフ・チャペックが描いている)。油絵の大作がいくつも展示されていましたが、どう見ても木版画に本領を発揮した人としか思えませんでした。
画面の大部分を黒で構成し、大胆な省略を交えながらの鋭い描写。室内での男女の恋模様を描いたもの、楽器演奏家を描いたもの、パリの街を行き交う群衆を描いたものなど。群衆の顔が漫画のように単純化され、その単純な線からユーモラスな雰囲気が生まれていました。社会を風刺しながらも、木版画の暖かさと描写の鋭さとのバランスを取った人だと思います。
会期 2014年6月14日(土)~9月23日(火・祝)
開館時間 10:00 ~18:00(金曜(祝日除く)のみ20:00まで)
休館日 月曜(但し、祝日・振替休日の場合は開館/9月22日(月)は18時まで開館)
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2014年6月12日木曜日
リリウム 少女純潔歌劇
池袋サンシャイン劇場の「LILIUM〜リリウム 少女純潔歌劇〜」を観ました。
男優は一人も出演していません。それどころかハロー!プロジェクト以外の人間は一人も出演していません。
そのせいなのか、脚本も非常に狭い世界に限定されたほとんど展開のない物語になっていました。もしかすると一時間くらいの簡潔な舞台にすべきだったのかもしれませんが、全体の雰囲気は決して不快なものではありませんでした。幻想的な一篇の詩を読むような感じといえました。
出演者では田村芽実さんが印象に残りました。私は勝手に想像で彼女は癖の強い演技をするのかと思っていましたが、実際は自分の個性を出し過ぎるわけでもなく役柄になりきった演技でした。
そしてもう一人あげるなら中西香菜さんでしょうか。難しいはずの男役をとても自然に演じていました。キャメリア(役名)の苦悩はちゃんと観客に伝わっていたと思います。
男優は一人も出演していません。それどころかハロー!プロジェクト以外の人間は一人も出演していません。
そのせいなのか、脚本も非常に狭い世界に限定されたほとんど展開のない物語になっていました。もしかすると一時間くらいの簡潔な舞台にすべきだったのかもしれませんが、全体の雰囲気は決して不快なものではありませんでした。幻想的な一篇の詩を読むような感じといえました。
出演者では田村芽実さんが印象に残りました。私は勝手に想像で彼女は癖の強い演技をするのかと思っていましたが、実際は自分の個性を出し過ぎるわけでもなく役柄になりきった演技でした。
そしてもう一人あげるなら中西香菜さんでしょうか。難しいはずの男役をとても自然に演じていました。キャメリア(役名)の苦悩はちゃんと観客に伝わっていたと思います。
2014年6月6日金曜日
「映画をめぐる美術」展ほか
東京国立近代美術館「映画をめぐる美術」展に行きました。
やなぎみわさんの作品「グロリア&レオン」が良かったです。
カサヴェテスの映画「グロリア」とベッソンの映画「レオン」の場面を、制服を着た日本の若い女性(演劇部の学生?)が演じています。すぐそばで別の女性たち(演劇部の部員?)が見つめる中、演技は進んでいきます。
映画の一場面だけを切り取っているので、観客が物語を理解するのはむずかしいです。映画では登場人物は少年だったり、中年男性だったりするわけですが、その台詞を少女が言うことで違和感が生まれます。演技もそれほど上手くないので、さらに違和感が増幅します。
それでも少女たちの真剣さ、存在の生々しさははっきり伝わりました。ドラマを推進するような演技力は乏しいかもしれませんが、その生々しさが「グロリア&レオン」という作品全体を高める方向に働いていました。
常設展では川端龍子(かわばた・りゅうし、1885-1966)の特集が印象に残りました。日本画の画家の中でもずばぬけた力量の持ち主という感じがします。
やなぎみわさんの作品「グロリア&レオン」が良かったです。
カサヴェテスの映画「グロリア」とベッソンの映画「レオン」の場面を、制服を着た日本の若い女性(演劇部の学生?)が演じています。すぐそばで別の女性たち(演劇部の部員?)が見つめる中、演技は進んでいきます。
映画の一場面だけを切り取っているので、観客が物語を理解するのはむずかしいです。映画では登場人物は少年だったり、中年男性だったりするわけですが、その台詞を少女が言うことで違和感が生まれます。演技もそれほど上手くないので、さらに違和感が増幅します。
それでも少女たちの真剣さ、存在の生々しさははっきり伝わりました。ドラマを推進するような演技力は乏しいかもしれませんが、その生々しさが「グロリア&レオン」という作品全体を高める方向に働いていました。
常設展では川端龍子(かわばた・りゅうし、1885-1966)の特集が印象に残りました。日本画の画家の中でもずばぬけた力量の持ち主という感じがします。